(一社)国立大学保健管理施設協議会 会長
滋賀大学保健管理センター所長 山本祐二
平素より、一般社団法人 国立大学保健管理施設協議会の事業並びに運営につきまして、ご支援ご尽力を賜り厚く御礼申し上げます
大学における保健管理についての問題意識の高まりは、昭和32年に国立大学保健管理協議会を発足させ、さらに昭和39年に国公私立を跨いだ全国大学保健管理協会の設立へと続きました。本協議会の前身である国立大学保健管理センター所長会議も昭和43年に開催されました。これらの活動は現在も連綿と引き継がれ、時代とともに変化する保健管理に関わる諸問題に対応を続けています。
本協議会には国立大学法人85大学が会員として参加いただき、大学等における保健管理業務ならびに施設の組織・運営の強化、充実及び改善について協議しています。その内容は、国立大学法人の保健管理の振興に関する調査・研究、学生教職員の健康・安全衛生に関する調査、資料の作成及び公刊、大学等の保健管理・安全衛生に関する情報交換と共同研究の推進などにおよび、必要に応じて委員会を設置するなどしてその事業を推進しています。
これまで、学生の心身の健康問題の調査、会員校の健康診断結果を集計した「学生の健康白書」の発行、「大学における健康診断・健康関連情報の標準化についてのガイドライン」の策定、および保健管理に関わる職種に向けた「若者から始める健康管理」、大学生に向けた「感染症ハンドブック」、「海外留学健康の手引」の作成をして参りました。これらの内容は、国立大学法人に限らず公私立大学など広く社会に貢献するものと考えています。
また、近年のグローバル化に伴う留学生の増加や、支援の充実により大学に進学する障がい学生の増加は、大学生の多様化を押し進め、新たな問題を表在化させました。さらに新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延は、社会構造そのものを変化させており、大学あるいはその構成員である学生・教職員への影響は計り知れません。そこから生じる保健管理の諸問題もまた国立大学法人に限らず広く高等教育において共有し、本協議会はその対応の一端を担うべく活動して行かなくてはなりません。
本協議会は平成29年度に一般社団法人に移行し、以来4年目を迎えました。今後も組織としての体制を強化し、各々の会員の経験と叡智を共有し、建設的な協議のもと大学保健管理の改善を図って参ります。
引き続きご指導ご鞭撻いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。